■2003年6月17日(火)〜6月30日(月)■

6月30日(月) “こんなことしてるから”の半年間      文責:ナベ
 日々ダラダラと飲んだくれているうちに、もう半年終わってしまった。「酒とつまみ」も一応季刊とうたっている手前、第2号が3月下旬発売ということを考えると第3号が今出ていなければいけないのに、実際はどうか。取材はともかく、編集執筆が思ったほど進んでいない。スタッフみな、他にもやらねばならない仕事があるので、なかなかスケジュール通りにはいかないのが現状だ。第2号の次号予告には「7月末には出るはず(笑)」と書いてはみたものの、それもアヤシイ。(笑)なんて笑ってる場合じゃなかった。読者の皆さんには大変申し訳ありませんが、どうかしばらくお待ち下さい。「しばらく」がどれくらいなのかちょっとわからないけれど、8月中には……。なにとぞご容赦。
 で、今日は編集部で「酒とつまみ」取材ネタのテープ起こし。2時間分のテープを一気に終えてやろうと意気込んだが、午後8時あたりから背後にアヤシイ影が忍び寄る。カメラのS氏だ。夕方過ぎには仕事が終わっていることが多いS氏は、だいたいこれぐらいの時間になると圧力をかけてくる。ナベちゃ〜ん、飲みに行こうよ〜。S氏は傷つきやすい“ガラスの49歳”。ここでムゲに断って神田川に飛び込まれても困るので、仕事をほうり投げて飲みに行くことにした。といいつつ、僕も口実を作って飲みたいだけなのだけど……。こんなことをしてるから、なかなか第3号が形にならないのだろうか。困ったものだ。入った店は、馬刺しが旨い駅前の居酒屋。ここはアノ椎名誠氏が若い頃に通っていた店だという。馬刺し、冷奴、ネギたま、イカの丸焼きなどを肴に、S氏と生ビール、酎ハイをガブ飲み。前日の潮干狩りのことを冷やかしたり、お互いに現在の貧乏生活を自慢しあったりしているうちに午後11時半。金もないのに、よく飲みますなあ、ホント。

6月28日(土)-29日(日) もののはずみでかみさんと小旅行  文責:サイ
 5月の初め頃だったと思う。温泉の無料宿泊券が2人分手に入ったので娘と行ってくるから。と、かみさんが言うのである。おぅ〜!行ってこい行ってこい。と俺は返事をした。それからわずか3日後、娘は試験前だから行かないと言ってる。どぉ〜しよう?…、俺は言った、友達だれか誘って行ってこいよ。それが、誘ったんだけどみんなダメみたいなのよ。せっかく貰った宿泊券!無駄になっちゃう!そしてまたまた、ど〜〜しよう?…?と、俺の顔を覗き込むかみさんがいるのであった。しょうがね〜〜な、俺と行くか〜?…。今、思うと完全にかみさんのたくらみであったにちがいない。絶対だ!場所は?と聞くと木更津だと言う。木更津に温泉なんかないだろう?ちょっとパンフレット見せてみろ。オイオイ、これって今はやりのスーパー銭湯みたいなやつじゃないか!宿泊も出来るばかでかいとこである!スパもあるし、ぐるぐる回る滑り台付きプールもある。おまけにエステも付いてる。行くのか〜〜?ここに?…、行こうよ〜〜!そこに。子供連中も言うのである、2人でたまにはいいじゃない!行ってきなよ!場所うんぬんより、2人で行くことが大事なんだよ。っかなんか、しゃらくさい事を言ってクスクス笑っている。完全にかみさんのたくらみにハマってしまったのであった。
 そして28日。ジェットバスにしばらくつかり、3個ある露天風呂をだらだらとはしごしたらもう完全に湯上がりビール!状態になってしまい、フラフラしながら晩飯会場へと向かった。我らのテーブルにはすでにかみさんが座っており、湯上がり顔でニコニコしながら俺を待っていた。生ビール、頼んどいたから、おっ!ありがとさんね、と座ったら、タイミングよくビール君が来た!乾っ杯〜!で長〜い夜が始まったのである。生ビール3杯、酎ハイ3杯、部屋に戻り缶ビール2本、酒がダメなかみさんはもぅ〜ついていけません!と、ふとんに入ってしまうのであった。
 翌日。朝風呂、朝飯、チェックアウトと進み、このまま帰るのもなんだし、どぅ〜する?そ〜だな〜?と何も考えずにぼ〜っとしていると、潮干狩りやって帰ろう!と、かみさんが言った。ビニール袋にほどほどの量のあさりとしじみをお土産に帰ることとなった。途中、小さな食堂であじたた定食を2人で食べた。グッ!と気合いでビール君をがまんした。家に着くなり冷蔵庫から恵比寿を取り出し、ベランダへ直行である。ゴクゴクと3口飲んだ、フゥ〜、最高であった。

6月27日(金) 1軒で勘定は2度!               文責:タケ
 またもや二日酔いと格闘しつつ入稿。9時に終わり昨日約束をしていたYさんと合流。23時着の便で羽田に到着するカメラマンMさんを、銀座「ロックフィッシュ」で角瓶のハイボールを飲みつつ待つ。ここのハイボール、ウイスキーたっぷり、でも、スカッとしていて800円。5杯飲むと、シングル10杯分だけど4000円。調子に乗る。Yさん、欧州の旅のスナップをたくさん見せてくれる。食い物の写真が埋め尽くしている感じで、楽しい。まだ時差ぼけもあって体調すぐれず、といいながらYさん、小生より遥かに強い。やがてMさんが合流。この人のことを、酒豪Yさんは、酒の先生と呼ぶ。恐ろしい。そして、本当にお強い。グラスを重ねても全然変わらない。こういう人、たまに見ますが、一緒になってついはしゃいでしまう小生としては危険。酔いつぶれかけた小生が一度勘定を済ませたのに、Mさん、ここからはオレが、とばかりに追加注文。もう、ガクガク! 帰る方向は一緒なのに、ちぎれるほど手を振っておふたりと別れた。家路、すこぶる遠し!

6月26日(木) 銀座のおいてけぼり               文責:タケ
 二日酔いと戦いながら雑誌の入稿。脂汗が出る。8時近くになってようやく尻が見えてきたとき、某編集者の襲来を受ける。今夜はお酒のたいへんお強い上に美貌のY女史と飲むことになっていたのに、いきなり攻め込まれて太刀打ちできない。Yさんに連絡して明日にしてもらい、編集者の撃退にかかるが、これがうまくいって、さてYさんにもう一度連絡しようとかと思っていると、高校の同級生のM女史がなんと、仕事場の前にいるという電話をかけてきた。「酒とつまみ」を買いに来たと。うれしい。なんとかもてなさなくてはならない。いや、このM女史もすこぶる別嬪なので、無理にでももてなしたい気持ちがあったことは否めない。そこで仕事場近くの中華デリカテッセンへ。カウンターでふたり並んで飲みかつ食う。いつもは編集WクンやカメラのSさんと一緒にレモンハイをかぶ飲みしつつ目を潤ませている小生のこと、店のママさんが怪訝な顔をしてこちらを窺っていた。いいではないか、たまには私にもこんな一夜があっても。その後、小誌連載陣のひとり佐藤謙一さんの「ル・ヴェール」へと誘う。ここまでは良かった。しかしここからはもう終わっていた。昨晩の酒が抜け切らないうちから仕事場で飲み始めていたせいだろう、完全にヘロヘロ。早々に支払いをし、店を出ると、M女史はすでに立ち去っていた。♪おいてけぼりポンポンポン、おいてけぼりポンポンポン、ざまあ〜あ、味噌漬けぇ〜♪。歌っていた、銀座通りで……。

6月25日(水) 今夜だけは早く帰ろうと思ったのに      文責:タケ
 23日(月)。書評のメルマガで「酒とつまみと営業の日々」という連載をはじめさせていただいているが、その第2回分を書く。創刊直後、どうやって販売したものか悩んでいる頃のこと。こういう文章を書いているときがいちばん楽しい。仕事場で缶ビールなんぞ飲みながらあれこれ思い出していると、つい長くなる。短くしろと再三注意されている。次は短く書けるか、悩ましい。夜、バーで取材、ハイボールを3杯。その後、中野のサントリーバーで同じくハイボールを4杯。
 24日(火)。夕刻から出版社での打ち合わせがあって仕事場へ寄らずに帰路につく。翌日は朝が早いのでとっとと帰ってビールを飲みながら宮部みゆきさんの『理由』の続きを読もうと思ってた。なのに、吉祥寺に下りるといつものパターン。ハバナムーンへ直行。ギネスとラフロイグのソーダ割り。どうして早く帰れないのか。
 そして本日、25日(水)。終日撮影立ち会い。帰りの電車を待っていると某編集部のCさんと会う。美人。Cちゃん、今度絶対焼肉行こうねと、ストーカーまがいの誘いを繰り返していたのだが、面と向かうと恥ずかしくて言い出せない。困ったおとっつあんだ。もじもじしているうちにCさん乗り換えで降りてしまう。まだ7時半。これで帰れるな、今夜こそ自宅・ビール・宮部みゆき、だと思いを決して吉祥寺駅。だがしかし、ああ、今夜もまた気がつけばハバナのカウンター。吸い寄せる力のある店なのだなと納得しつつ、ハートランドビール、ギネス、ラフロイグのソーダ割り。ラフロイグはストレートでももちろんうまいが、この季節、ソーダ割りもお勧めしたい。やっぱり泥酔。

6月22日(日) ベランダ酒パート2で御座います。    文責:サイトウ
 今日はなんだかいつもの日曜日とは様子が違います。朝早くから家の者達がガタガタと騒がしいのです。お〜い、ど〜したんだ?かみさんに聞くと、娘の部活の演奏会があって弁当を作っていると言う。ふ〜ん、そうか。すぐ出られるのならおとうさんも行く?短パンとアロハでいいか?…、ダメ!っと娘がくぎをさしてきた。あれよと言う間にかみさんと娘は出かけて行ってしまった。しょうがないか、とベランダへ出て、いっぷくすることにした。いつもの椅子に座り新聞を広げた。空は梅雨で、どんよりである。顔でも洗ってさっぱりするぞ!と洗面所へ、歯磨き粉は「ザクト」である。ゴシゴシしながら、洗濯機をのぞく、なんだ、終わってるのがあるじゃないか!しょうがない干しといてやるか!風に揺れる洗濯物を見ているとなんだかほっとしてくるのだ。ちょっと早いが、ビールにする。テーブルの上に弁当のおかずのあまりが大皿にでん!と置いてあったのだ。よしよし、と言いながら恵比寿の缶1本と大皿をベランダへ持ち込む。プシュ〜と開けながら、なんだか俺はへらへらとしまりのないふくみ笑いが込み上げて来た。ふと見ると後ろに息子が立っていた。チュウチュウとなんか宇宙食みたいな物を吸っている。朝からそんな物吸ってるとおまえ、大変なことになるぞ!と、訳の分からん事を言ってると、息子はじっと俺の缶ビールを見ているのである。まっ、いいじゃないか日曜だし。と言葉に出さず眉間にしわを寄せていると、息子はきびすを返し去って行ってしまった。実は二人いるのである、息子。日頃、酒にだらしないおやじを見ているせいか、二人とも酒をやらないのである。ま〜、仲間同士では飲んでるのかもしれない、だが、さみしいとか一緒に飲みたいとかいう気持ちはまだ不思議とおこらない。ま〜、おまえ達にはまだまだこれの楽しさが分かってたまるか!という気持ちが強いのかもしれない。だらだらと、七輪で遊んでいると、もう夕方。おとうさん!いわし焼けた?あぶらがのってておいしいね〜。焼いたはしからみんな持って行く。…。いいじゃないか。ベランダ酒。ネ?。ふと見るとまだパジャマであった!

6月21日(土) 暁のサッカー中継と涙のトマト         文責:ナベ
 前夜浅草橋で飲んだ帰り、O氏とともに吉祥寺のバーへ。入店は午前零時頃。O氏は3杯ほど飲んで午前2時には帰ったが、僕が店を出たのは午前6時。閉店時間は午前3時なのに、なぜこんな時間までいたのか。それは、バーのスタッフと常連客とともにスカパーのサッカー中継を観ていたからだ。コンフェデ杯の日本対フランス戦。酒を飲みモーローとしながら「ああー」「ウォー」「やられた」「おおっ」「だめだ」「またかよ」とか何とか言ってるうちに試合終了。店を出たときにはすっかり外は明るくなっていた。こうなるともう、一日を潰したも同然。この後はほとんど寝て過ごすこととなった。で、ようやく動き出したのが午後7時頃。久しぶりに日野市にある実家へ帰り、晩酌。実家には飲める人間がいないので、もらい物があっても貯まる一方というビールを片っ端から飲みまくった。つまみは、実家で採れたトマト。何もつけずにそのまま食べる。うまい。心の中で泣きながら何切れも食べた。なぜ心の中で泣くのか。自分でもよくわからないが、30歳を過ぎたあたりから、実家のトマトを食べるときには泣くことにしている。ただそれだけのことだ。

6月20日(金) 中南米パワーを吸収したい!          文責:タケ
 18日は大阪、19日は名古屋で仕事、その晩帰京した。大阪では仕事が遅くまでかかってスタッフの方々との食事が終わると深夜だった。北浜のロック・フィッシュというバーへ向かう。このお店は銀座にもあるが、価格は良心的で、なんといっても角瓶のハイボールがうまい。北浜の店は初めてなるも、ハイボールの味は同じ。氷なしの大ぶりなグラスに冷えた角と冷えたソーダ、レモンピールで締める1杯。いや、1杯では終わらない。この日は、そこそこにと思いつつも3杯飲んだ。名古屋からの帰りは車中で飲んだビールがけっこう回って珍しくまっすぐ帰宅かと思われたが、やはり吉祥寺で1杯。いや1杯では終わらない。ハバナムーンでハートランドにギネス、ラフロイグのソーダ割りを2杯。こちらのウイスキーも盛りがいいのでひたすら酔っ払う。
 そして20日。イラストレーターを目指すM嬢が遊びに来てくれ、さらに『中南米マガジン』の金安さんも見えて、こうなると繰り出さずにはいられない我ら、火曜の晩に焼酎ロックを連続お代わりした店「瓢箪鍋」へと向かい、賑々しく飲む。ロックでベロベロになった反省からレモンサワーで攻める。いかにも下町っ子という気風のいい大将、なんと、伊勢エビをぶち込んだ味噌汁の巨大な鉢を、「ええい、サービスでい!」とばかりに出す。「酒とつまみさんは、いつもこんなご馳走を食っているのですか!」と、中南米マガジンの金安氏が叫ぶ。いやいや、いつもはゲソ揚げでホッピーを飲んでるンです! 創刊から5年を経た中南米マガジン様に対し、弊誌はまだ2号が出ただけ。スタッフすでにして飲み過ぎでヘタっている。「テキトーにやるのが一番ですよ」という金安さんのお言葉をそのまま受け取った場合、3号の発行がいつになるやらわからないなあ、などと思う。ああ、中南米パワーを吸収したい! と切に願う一夜でありました。

6月17日(火) 今、降りようと思ったのになあ〜!      文責:タケ
 毎日更新を目指す独占酒記、思いっきり休んで何をしていたか。やはり、飲んではいたのだ。いよいよ仕事に追い込まれると、飲み屋に行けない状況となるが、事務所では飲めるので、原稿書きながら缶ビールという運びになる。12日、13日、土日を挟んで16日と、そんな感じだった(土日は土日で家で飲んだ、それもけっこう大量に)。
 そして本日。夕方からライターのMさんが遊びに来てくれて近所の飲み屋へWクン、Sさんと一緒になだれ込んだ。つまみのうまい店で、あれやこれやと頼むうち、焼酎のロックに突入。すっかり調子づいて閉店まで連続お代わり。事務所で始めたビールから数えるとやはりけっこうな量になっているのだが、終電までまだまだ余裕のある時刻のこと、それほど飲んだ気はしていなかった。電車に乗ると、どうしたことか空いていて途中から座れた。Wクンが一緒だから安心、さっそく睡眠に入る。そして気がつけば、Wクンに肩を揺すられていた。吉祥寺か。よっしゃ、もう1杯いくか、なんて思いながら立ちあがりドアに向かおうとしたそのとき、ドアは閉まった。ホームでWクンがあきれ果てた顔をしてこちらを見ている。小生は立ちあがったまましばし呆然。電車は動きはじめ、Wクンの姿が遠ざかる。ああ、今、降りようと思ったのに……。思わずそう呟く。それにしても動きが鈍過ぎる。次の三鷹でまた降り損なうといけないと思い、ドアの近くに立って待つ。すると三鷹駅では、反対側のドアが開いた。慌てて鋭い動きで反対側のドアへと向かったが、足はもつれていたような気がする。


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