■2003年7月17日(木)〜7月31日(木)■

7月31日(木) 酒断ち初日、深夜まで飲まぬその果てに    文責:タケ
 週の頭に大酒食らって、アルコールにちゃぷちゃぷと浸りながら週の半ばを迎え、月、火、水、3日間の連続深酒のダメージで迎えた木曜日の朝。起きてしばらく呆然。動き始めてからも、仕事の合間にしばし呆然。そんなことの繰り返し。昼に蕎麦を食うも、ビールを飲もうという気にならない。そこで決意。今日は酒を抜く! 抜こうという積極果敢な姿勢ではなく、ともかく今日は飲まずに済みそうだという程度のことなるも、1日完全に酒を抜けば、週末、金曜日の、仕事の後のビールがたいそうウマイ、と夢想しつつ、深夜近くまで地道に働く。そして帰路に。
 飲み屋街に見向きもせず電車に乗り、ミステリー小説のページを開き、読みふける。シメシメ。吉祥寺まであっという間に到着。自転車置き場までの200m、ここが難関だが、ここさえ越せば、なんとかなる。呼び込みの兄ちゃんの甘い誘いの言葉に気持ちがぐらぐらと揺れるから、うつむき加減にヒタヒタと歩く。あと一軒、ハバナムーンというバーの前を素通りできれば帰れる。そう、思った瞬間だった。
 男女二人連れが向こうからやってきた。酔っている。二人とも見覚えがある。ああ! 向こうも気がついた。小生はひと言、
「キャバクラのほう、いかがっすか、3000円にしときますよ」
 画家のMさんと、小誌連載陣のひとり、瀬尾幸子さんだった。
「オータケっチャン! ナニしてンのお〜」
「いや、ご両人をお待ち申し上げておりました」
「よーし! 行こう、行こう、どこでもいいから、行こう!」
 ふたりに両腕をつかまれた。自転車置き場が遠くなる。禁酒、断念。
 その後が悪い。ベロベロのふたり、もう一軒の店に入ったのはいいが、すでに飲めやしない。ヘロヘロ。もう、寝そう。1時間もいずに、店を撤退。再度、自転車置き場へ向かう。兄ちゃんが声をかける。
「外人クラブのほう、いかがっすか」
 外人クラブのほう、とはいかなる方角か、と思いつつ兄ちゃんの指差す方角に視線をやると、おお、外人、がいた。小生は外人に弱い。危ない。禁酒を誓った日に、実にどうも、まことに危ない状況となったのである。

7月30日(水) 酒断ち日記                  文責:サイトウ
 ふとんが濡れている。眼を覚ますとふとんが濡れているのだ。昨夜の大雨で濡れたズボンのまま、寝床に倒れ込んだに違いない。こ〜いう時はみなさん!家族に心配をかけない為に俺はわざと毅然とした態度を取る事にしている。かみさんに向かって、じゃ行って来る!今日は、今日中に帰る!…。なんか訳の解らん事を言ったりしてる。そして、やっとこさ事務所に出て来て一息つくと、編集のW君が言うのである。Sさん!死んでますね!昼飯頼みますが、どうします?…?ここでも毅然と、あっ、俺、朝飯が遅かったからいらないわ!…。そう言う訳で、とりあえず少しの酒断ちを決断した訳なんですが、酒つまスタッフのくせに情けない!!。っと思っておられる皆様!酒断ちが何日持つか、こうご期待です!

7月29日(火) 酒断ちを決意した夜             文責:サイトウ
 三鷹で取材の為、4軒はしごした。レモンハイ11パイは飲んだ。11時頃帰りの電車に乗った。ほどなくメールが入る。高校の時の悪だちからだ。飲んでるから来い!と言う。ごきげんだったので、乱入してやった。大雨のせいにして朝までやってしまった。30日の朝、しばらくの酒断ち!を決意した。

7月28日(月) ムチ、ムチ、飴、ムチ。          文責:サイトウ
 3回しかられて1回優しくされると、一つ一つのそれが非常に生き生きと心に残ってなんか、ぽ〜っとしてきて、飲んでる酒もいっそう旨く感じて来るものである。そ〜でもないかな〜?…。よく行く上海ブラッセリーのIちゃんがこれの名手であって、この日もW君とラストオーダー30分前に店に入ると、いきなり、Sさん!また飲んで来たの?も〜しょうがないわね〜!ブラックリストに又逆戻りよ!なんて言われながら、1パイ目のレモンハイを空けると、なにも言わずに2ハイ目を持って来てくれる。そして、少し濃い目にしといたから、なんか言われると、また、いっそうに心の奥の方がほんわかと熱くなって来るのである。その晩も4ハイ目を空けて待ってると、次がなかなか出て来ない、Iちゃ〜ん!おかわり!いい?…?もぅ〜ダメです!ダメ〜!飲み過ぎよ!Sさん!…。W君が笑って見ている。Sさん、しかられると弱いガラスの40代ですね。そうかもしれない。それに最近涙もろくもなって来ている。自慢じゃないが、事務所そばの神田川の屋形船が夕日に揺れているのを見て泣きそうになったこともある。もう、飲まないでまっすぐ帰らなきゃだめですよ。Iちゃんのことばを背に夜空を見上げると月が雲にかかり泣いていたのであった。

7月27日(日) ひとりぼっちのベランダ酒。        文責:サイトウ
 日曜日で御座います。そろそろ梅雨も明けそうなんですが、今年はまだですね〜。それでもたまに日が差してベランダは気持ち良さそうです。11時頃起きたんですが、もう誰もいません。みんなそれぞれ出かけたみたい。テーブルに手紙があります。かみさんと娘、次男坊3人は夜まで帰らないと、なんでも、かみさんの大学時代の友人のダンス教室の発表会に出かけるとのこと。長男坊もバイトなのかいません。俺ひとりです。ベランダに座り、ぼ〜っと、いっぷく。さて。俺一人か。ふと思い立って冷蔵庫の中を確認しに立つ。んっ?恵比寿ビールがない。…。発泡酒に変わっていた。むむ〜。そ〜か〜。ま〜、しゃ〜ないか?1本空けた。1時頃そうめんをうがいた、きざみねぎ、きゅうりを細かく切り、しょうがとみょうがもこれまた切り刻んで全部どばっと、つゆに入れる。作っていると、長男坊が帰って来た。そーめん食うか?食う!2人でそうめんをすする。おやじ!うまいね。そ〜か?うまいか。ばんばん食え!おう!…。2人で酒もいいが、そうめん食うのもいいもんだ。長男坊はまたすぐ出て行ってしまった。俺一人にまた戻った。ベランダで発泡酒を飲みながらふと思った。ここに人工芝を敷こう!すのこに芝を張ったやつを3枚も用意すれば十分である。んんっ!これはいいぞ〜!天気のいい日は寝ることもできる。しかも裸足でいい!しかも洗いたての洗濯物が顔の上で風に揺れている。…。よし!3本目の発泡酒を空けた。来週も頑張ろう!!

7月26日(土) 腕立て・腹筋・ハシゴ酒            文責:タケ
 昼まで寝て、起きてみると意外に好調。昨夜、飲んでいる途中で親切なお店の賄いのご相伴にあずかったのが原因か。メシもしっかり食べられる。腕立て伏せと腹筋を行う。夏までに腹を割ると決意した正月から早7カ月。すでに夏であり腹は一層の丸みを帯びて円熟期の余裕を感じさせているのだが、今まさに世界水泳の放送中。連日のように引き締まった肉体を見せつけられるとオレだって昔は、と思わないでもない。それで昼過ぎから大汗かいて入浴、夕方から外出。ホッピーマラソン取材時に撮影を失敗した店を回る。三鷹と吉祥寺。先に三鷹に回り、写真を撮った後で吉祥寺へ。ちょうど暮れ方の良い時間帯。写真を撮る店の入り口から中の様子が見える。楽しそうに飲んでる人が5、6人。ああ、我慢できない、1杯だけ、と思う。せっかく腕立て・腹筋したのだから多くても2杯までにしよう。そして入店。本当に2杯で店を出る。しかもホッピーだからそれほど太る心配も要らない、などと思いつつ吸い寄せられて「ハバナムーン」。ギネスを4杯。ああ! これでまだ帰らない。「ファーストサークル」へ流れてブラディメアリー3杯。ああ! 「ウッディ」までなんとか歩いて扉を押しても引いても開かない。「こんばんわ〜、こんばんわ〜、・・・? 終わっちまったのお〜?」 開かない。で、諦めてさあ帰ろうと思いつつ博多ラーメン。ああ! 無我夢中で替え玉。ああ、もうお腹いっぱい!

7月25日(金) とりあえずのビール1ダース          文責:タケ
 朝早くから動き出して昼日中も勢いに乗り、そのまま深夜まで働いてほっとひと息、仕事場を出ようとしたまさにそのとき、先に出て飲んでいたWクンから電話。電車、止まってますよ。うーむ。かくなるうえはと2時までやってる店へ直行。居合わせた顔見知りが開口一番「あなた毎日お酒を飲んではいけないよ」 それはこっちの台詞。小誌『酒とつまみ』に絡んで、話題は大酒飲みの飲みっぷりへ。うちのオヤジは、とりあえずビールと言ってからそのまま1ダースの大瓶ビールを空けたこともある、ってな話を小生が振ると、「あのね、甘いね。僕の知り合いはね、最初に食事に入った店で、まずお銚子18本って注文するんだ」と返される。ウソ、いや、ホント、のやりとり。「その後バーへ行くとそこでレミー、とか言うのね。」 最後がすごい。「それでね、夜中になるでしょ。もうそろそろ帰してよと思う頃、焼肉行こうって。午前3時」 うはああ。午前3時の焼肉! 「そこでね、レミーくれって(笑)」
 あっという間に2時を過ぎ、3時過ぎまで粘ってから今度は5時までやってるお店へ回る。さすがにヘロヘロ。意識朦朧。始発までに2杯飲んでグロッキー!

7月22日(火)〜24日(木) ビール!ビール!ビール!   文責:サイトウ
 22日。越後湯沢からの帰りは新幹線自由席であった。ギリギリでホームに入り気が付いた、ビールを買い忘れているのを。しょうがない車内で買おう。なんとか1つ空いてる席を見つけた。横は若い女性であった。その子のバッグが席にあったので俺は、空いてますか?するとその子は眉間にしわをよせてバッグをどけた。俺、なんか悪いことしてる?心の中で文句を言いながら座った。その子は俺から離れようと少し体を動かしている。いやな感じだ。確かに見た目あまりいい人相とは言えないが、気はいいおじさんである。くそ〜、売り子はまだか!早くビールを売りに来い!なかなか来ない。しかも、そこはなんと禁煙車両であった!しまった!間違えた!ビール!ビール!ビールにかけるしかないのか。やっと来た売り子に、ビール2本!と言うと、売り子はアサヒとキリンとサッポロをご用意しておりますが、どの銘柄がお好みですか?バカ丁寧に聞くのである。俺はサッポロ2本!!そして千円札を出した。売り子は、千円札からお預かりでよろしいですか?くそ〜、早くビールと釣り銭を寄越しなさい!まったく!それにしても変なことば使いだ。1本目の栓を空けたら、泡が顔に吹いた。くそ〜。
 23日。今日は何もない。酒つまの入校まじかでドタバタしてる。だが編集部はビールくさい。のである。コンビニデリバリー、便利だ。
 24、25日。火が付いた。火が付いたのである。行かなきゃよかった。ほんとう反省している。ばかだった。浅草橋でいい飲み屋に入ってしまったのである。そこで火が付き、地元で、あばれてしまった。しかも翌日、十時に二子玉である。頭がんがん、眼、真っ赤、口を開けば、も〜大変。なんとか無事に現場を終了、Sさん、昨日は大変だったんですか?眼が真っ赤ですよ。いや〜、仕事であまり寝てないんです。ばれてる。反省したのに、夕方事務所に戻れば、またビールが恋しくなる。なんなんだ!懲りてない。W君!レモンハイ行こう!

7月21日(月) 酒とつまみの決算で不眠            文責:タケ
 事務所の決算大詰め。一番嫌いな経理会計の仕事。午前中から始めて、終わらない終わらない。酒とつまみ、という雑誌の存在が、決算を数倍難しくしている。深夜となり、我慢できずにビールの栓を抜く。経理会計は終わらない。2本目のビールが終わる頃、夜が明け始め、寝酒にと、ウイスキーを少し。でも、眠れない。すぐに起き出して決算の続き。どんどん夜が明けていく。

7月20日(日) 一滴も飲まず、いや、飲めず          文責:タケ
 死亡状態。末娘が小生の横へ寝そべっていわく、「甘い匂いがする」。答えていわく「ヨーロッパのチョコの匂いだ」。チェコじゃない。終日死亡。一滴も飲まず。いや、飲めず。

7月19日(土) 河内音頭の夕べ、そして東欧の夜       文責:タケ
 昼前に起き出してすぐに仕事場へと思うが、体が言うことを聞かず。呼気で計測するアルコール検知機(最近はいつも持ち歩いている)に息を吹きかけると0.33。これで車を運転でもしようものなら立派な飲酒運転。ご心配なく。車の運転は、たださえ大嫌いだ。2時間ほどウダウダして仕事場。はかどらず、メシもまずく、どうにもこうにもという状態で向かったのが錦糸町。河内音頭の盆踊り。小誌で連載をお願いしている二木さんからのお誘い。松崎さんも後に合流するという祭の夕べである。河内音頭は櫓の上から鳴り響き、躍る善男善女の数も多く、実に賑やかで熱い。居酒屋で生ビール3杯。外へ出て、躍る人など眺めつつ、サイさんが次々に購入してくれる缶チューハイをグビグビ。祭の初日も終わり、また先の居酒屋で飲んだ後、もう1軒という運び。呼び込みの盛んな場所を縫うようにして歩くが、1人2500円のひと言で陥落。フィリピンパブかと思って入店したら、女性はどう見てもアジアの方でない。聞けば、ロシア、ルーマニア、チェコからの出稼ぎであるらしい。言葉が通じないからよくわからん! 歌い、飲み、躍る(これはサイさんのみ)。延長どうする? のひと言に1回だけ対応するのが限界。酔いも財布も限界。プラハに遊びに来いと女は言った。小生は、錦糸町からプラハまで、タクシーでいくらかかる? と思った、までは覚えてる。

7月18日(金) 泥酔、半日後、泥酔               文責:タケ
 ってなことで、強烈な二日酔い。夕方まで二日酔い。仕事はなんとか、最低限のところだけこなす。そして、缶ビール。無理をするなと自分に言い聞かせながらも缶ビール。そして午後8時半には中野に集合。Y女史と飲む。ビールからハイボールへ、少しずつ、様子を見ながらの、なんとも煮え切らない酒になったが、Yさん気を遣ってくれてユルユルと飲むことを許可される。あれやこれや。ああでもない、こうでもないと話しつつ気がつくと閉店。電車もそろそろという頃合。別れ際、「8月に入ったら、体調万全、明日の仕事はなし、って一夜を設けましょう」とYさん。「ヘイ」と小生。大丈夫だろうか。

7月17日(木) いや〜、偶然!偶然!ほんと。       文責:サイトウ
 それほど頻繁に行く飲み屋でもないのに、たま〜に行ったりすると、あれ?ここで飲んでたの?その相手も、いや〜、こっちもたまたま入ったのよ、偶然!偶然!なんて事って昔よくあったような気がするのだが、これも良し悪しで、あまり会いたくなかった知り合いとか、どちらかが女連れだったりすると、あぁ〜、タイミング悪かったな〜、入ったばかりなのにすぐ店を出るのもなんだしな〜、と。お互い中途半端なまずい酒になったり、またその逆も大変で、すさまじい量の酒になっちゃったりするもんである。そしていよいよ本題に入るのだが、編集長O氏に酒つまのファンです。という女性から連絡が入り、なんと今から飲みに出る!と言うのである。どこに行くのか?と聞いても、そ〜ですね〜、両国あたりかな〜、なんで両国なんだ?いや〜、その子の住まいが両国なんですよ〜。なに〜?それはどぅ〜いう意味だ〜?と言いつつO氏はいそいそと出かけて行ったである。W君!両国といったら、あそことあそこだな!そ〜ですね〜、おそらくその2軒位しか知らないはずですよ。よしよし、2軒目で待ち伏せだ〜!この店は以前にも書いた事があるのだが、オレが黒糖焼酎を一升キープしてある店である。2人で隅田川の風に吹かれながら両国橋を渡る。ヒヒヒっと笑いながら店に入る(気持ち悪い客である)。まだ来てない、よし!。なにがよし!だ、焼酎もそこそこ残っている、よし!つまみも頼んだし準備万端である。いつでも来い!よし!。なぜか2人小声でチビチビと焼酎を飲んでいると、来ました!来ましたよ。入り口に背を向けるようにして、知らないふりをして2人でぼそぼそ飲んでると、O氏が、なんだサイさん!一軒目に来るかと思って待ってたんですよ〜。そこに連れの女性が、オオタケ君!酒つまの仲間達?会いたかったのよ〜。そしてお互い自己紹介すると、O氏の高校の同級生だという。美人である。ハキハキしている。苦手なタイプである。しかも酒も異常に強い。ハハハ、もっともっと面白い本にしてね!ポン!と肩を叩かれた。飲んでいるのにそれほどまわらない、なんかクラス会に侵入という感じであった。


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