■2004年8月1日(日)〜8月16日(月)■

8月16日(月) 固い決意はどこいった(文責:サイ)
 いい立ち飲み屋を見つけました。その名も「立ち飲みG」…。どこがいいって、なんつったって編集部から歩きで1分もかからない!…。焼酎も、いも、そば、黒糖、そして泡盛、等々。そしてほっとするのがキャッシュonデリバリー!ここは、まず、カウンターに置いてある一合枡に「よし!俺、今日、2000円!」とか言いながら、千円札2枚をあらかじめ突っ込むんである。注文品が来ると女の子が札を抜き、チャラ〜ンと釣り銭を枡に入れてくれる。見た目にも非常に解りやすい!んである。本日も編集部W君と固い決意と共に千円札2枚を握りしめ、1分もかからないのに急ぎ足で「立ち飲みG」を目指したのである。「いらっしゃい!」…と気のいい店長。実はこの店長の出身が俺が今住んでる自宅の近所らしく、話を詰めると子供らと同じ学校の出身だったりするんである。そんなこんなで釣り銭と相談しながら次の注文を決める訳だが、そうそうキッチリと金額が合うはずもない訳で、酒が入って来るに従い、エ〜ィ!100円だ!200円追加だ!面倒だ!エ〜ィ!500円玉だ!とか言いながら小銭を足していくはめになってしまうのである。結局今夜は2人で600円ずつのオーバーと言う結果になってしまうのであった。固い決意なんてはなから無いのに。これも酒飲みの悲しい性なんでしょ〜か?…トホホ…。

8月15日(日) 渡さんの猫パンチ(文責:タケ)
 二日酔い気味の頭と体にムチを打って、宣伝パンフレットのラフをつくり、文案を考え、それとは別の原稿仕事の校正などに勤しむ。いつもの休日パターンと異なるのは、夕方から出かける用事があったから。吉祥寺のライブハウス「のろ」で高田渡さんのライブがあり、私と編集Wクンは、そこに『酒とつまみ』を置かせてもらい、お店のスタッフが忙しければ売り子も買って出るつもりだった。少し早めに会場へ行ってみると、渡さん、すでに飲んでいるご様子。いいなあ、かっこいいなあと、『酒とつまみ』5号のインタビューに登場していただいたときと同じ感想を持つのだった。ライブは大入り満員。仲間のミュージシャンも何人も参加されて、実に活況だった。終わったのは午後11時近くだろうか。この後、店のスタッフや常連のお客さん、そしてもちろん出演者の方々で、打ち上げがあるとのことだったが、私は翌朝早くから車を運転する用事があり、ここには残れない。残るとなればハンパはできないだろうし、それならば、ここで辞去したほうがいいと判断した。それで、顔見知りの人たちに挨拶をし、最後に渡さんにも、挨拶をした。「今日は『酒とつまみ』を売らせていただきました。ありがとうございます」「あ、売れたの、あれがねえ」「はい、本当にありがとうございます。今日はこれで失礼いたします」「へ? なんで帰っちゃうの?」「あの、明日早いものですから」「へえ」渡さんはそう言いながらにやりと笑い、手首からぐにゃりと曲がる拳で、私の胸のあたりにパンチをした。あの猫パンチ、どんな言葉の代わりだったのだろう。「そうかい、ご苦労さん、ゆっくりおやすみ」なのか、「酒飲みが忙しがるんじゃないよ」なのか。後者ですよね。当然か。

8月14日(土) 親父ふたり、子供を肴に飲む(文責:タケ)
 夕方から京王線仙川駅前へ出て、Kさんと飲んだ。場所は私の指定で、「きくや」である。府中競馬開催時の土曜日に、競馬のあとに一人でよく寄る店だ。Kさんは地元の一年先輩で、少し前まで、団地の同じ棟に住んでいた。互いの子供が幼馴染でもあることから、一時、とても親しくお付き合いをさせてもらった。Kさんが団地を出てから少しばかり疎遠になったが、今夜は、久しぶりに飲むことになった。互いの家族抜きで、2人で飲むのは初めてのことである。Kさんと私とでは、地元の出身であることを除けばほとんど共通点がない。Kさんは堅い仕事をしているが、私の仕事はふにゃふにゃに軟派であるし、Kさんがとても若々しいのに対し、私ははや、ヨレヨレに近い。話題といえば、自然に、昔のことになる。野原がたくさんあって、誰が誘うでもないまま子供たちが集まり、年齢の異なる子供たちが一緒になって遊んでいたことや、吉祥寺駅がまだ踏み切りだった頃のこと。ロンロンという駅ビルに、うまい焼きそば屋があったことなど、話は、とどまるところを知らない。酒が進む。そして、酒が進むにつれて、話は互いの子供のことになっていく。Kさんには息子さんがいるが、私のほうは娘ばかり。Kさんは息子さんが所属する野球チームのコーチもしていて、大会の話など聞いていると、うらやましくて仕方がない。Kさんの息子さんのチームは、今年の夏の大会ではすでに敗れていたが、「来年こそは勝たせてやりたいんですよ」と、Kさんは静かに語るのだ。「手取り足取り教えてやれるのも、もうあと何年もないですから」。私は、胸が熱くなる。Kさんは今も、仕事を終えるとまっすぐに帰宅し、まだ日が残っているときには、たとえ30分でも、息子さんのキャッチボールに付き合うという。こういう父親になりたかったと私は思う。いや、今からでも遅くはない。娘だから野球は無理だが、まだ、やれることがたくさんあるはずだ。そんなことも思う。気がつくと、もう、4時間ほど飲んでいた。

8月13日(金) のんびり飲める週末の酒が好きだ(文責:タケ)
 昨夜、ボーっとしている時間が異常に長かったから、睡眠不足なのだが、酒が少なかったから体調は完璧に近い。金策の続きも滞りなく進み、原稿仕事もソツなくこなし、さて、夜である。浅草橋駅北口の中華屋さんで、編集Wクン、カメラのSさんと飲む。炒め物や焼き餃子などでビール、ビール、レモンハイ、レモンハイ、くらいか。その後で、Wクンとふたり、吉祥寺まで帰ってきて、どちらから誘うともなく、「ハバナムーン」の扉をあける。明日から週末。しかも、急ぎの仕事をかかえていない。こんな、のんびりとした夜の酒は、ことのほかうまい。酔ってへらへらとバカ話をしているのときの気分は、他に比較の対象が見つけられないくらいに、いいものだと思う。こんなときには、気づくことがある。毎日飲んでいるけれど、毎日、酒の味は違うのだ。

8月12日(木) ヘタリの、それでもビール1本(文責:タケ)
 ああ、ほんとに、バテた。連日の飲みすぎ、絞り出してはまた入れての繰り返しに、さすがにバテた。飲む気がしない。抜こう。まっすぐ帰ろう。帰ったらすぐ寝よう。そう思って早々に帰宅。風呂に入り、さっぱりとして、まだ飲みたくならない気分を訝しがりながら、ボーっとテレビを見る。眠くならない。疲れているのに眠くならない。だからひたすらボーっとオリンピックを見ていたが、夜半、ふと気がついたら、ビールを飲んでいた。けっこう、うまい。まだまだイケルな、などとわけのわからないことを考えていた。

8月11日(水) 絞り出してはまた入れて(文責:タケ)
 昨夜の長い酒がたたって、体中にアルコールが充満している感覚。いかんともしがたいヘタリ具合なのであるが、ここは一念発起して駅までぶりぶりと歩く。汗をかき、水を飲み、また汗をかいて、絞り出すのだ昨夜の酒を。そんなことを思いながら歩く。40歳を過ぎて、もう少し考えることがあるだろうにと我ながら呆れるが、他に何も考えられない。ただもう、苦しくて、早く二日酔いから抜け出したくて、それしか考えられないのだ。仕事場では、ある雑誌から依頼を受けたロック酒場を調べ、取材テープを聞きなおし、ほかにも細々とした仕事を片付けていく。今夜はやめておこうと思う。昨日は飲むだけの1日だったから、今日は働くだけの1日にしようと思う。思うのだが、そんなときには決まって、頭は飲むための言い訳を考えていたりする。そうだ、ロックバーなら、あの人が詳しいだろう。あの人に聞けばいいのだ。そうだそうだ。あの人とは吉祥寺の「WOODY」のマスターである。飲むことになるな。なるだろう。しかし、これは仕事なのだ。調査なのだ。ロックバーを調べるための……。決まった。今夜も飲むことに決まった。言い訳もある。こうなると、割りにすっきりした気分で酒場へ向かえるから不思議である。そして、絞ったばかりの酒を、また入れることになるのだ。

8月10日(火) 試写会に行くつもりがロックフィッシュへ(文責:タケ)
 高田渡さんのインタビューのときにお世話になったアルタミラピクチャーズのSさんから試写会の招待状をいただいていた。金策にも目処が立ちそうな気配で少し安心したからか、午後からの回に出かけようと、仕事場を早々に出た私だったが、ふらふらと何を思うでもなく有楽町へ出て、そのまま、開店間もない「ロックフィッシュ」の客になってしまった。早い時間のハイボールは回りも早い。いい気分で夕暮れを待つのだが、日が長いので、なかなか暮れない。窓の外がすっかり暮れてしまう頃には、出来上がってしまった。何もしない1日。いや。昼から飲んだ1日の、これが夜の部の始まりなのだった。

8月9日(月) タコ社長の気分で嘆き酒(文責:タケ)
 午前中から気の重い仕事。金策である。超のつく零細企業ゆえ、国のお世話になるしかないのだが、それにしても、お金を借りるのはけっこう怖い。気が引ける。小さいながらも会社にし、曲がりなりにも経営者の立場であれば、個人事務所に毛が生えた程度の所帯とはいえ、やはり、避けて通れない部分なのかもしれない。でも、嫌だ。なんでこんなことになるのだろうと思う。同じ稼業の人でも、借金はおろか、金が余るほどに稼いでいる人はいる。しかし、当方は稼げない。だからといって、かかるもんはかかるわけで、それを支払わずに継続することも不可能だ。だから、金策しなくてはならない。借りれば返さなくてはならない。また、たいへんだろうな、と、借りる前からくよくよ考える。あ〜あ〜といつも嘆きながら駆け込んでくるタコ社長さながら、うなだれて借り入れの申込書を作成する。しかしながら、私はタコ社長とは違う。どこが違うかといえば、タコ社長はまじめに働いていて、それでいてなお苦労をしている。しかるに私は、毎晩酒を飲んで苦労をしている。なんか、根本的に違うのである。申込書を書きながら、私は誓うのだ。今夜は飲んでやる、と。そして、本当にそうなった。吉祥寺の「のろ」というライブハウスで、来る15日に高田渡さんのライブがある。その席で、私たちは『酒とつまみ』を売らせてもらうのである。その打ち合わせというかご挨拶に、「のろ」へ行き、少し飲んで帰ればよさそうなものだが、そうはいかないのが、今日の酒だ。誰に、何を話すわけでもないのだが、心の中では、タコ社長よろしく、あ〜あ〜倒産しちまうよ〜などと大げさに叫びながら、レモンハイをがぶ飲みするのだった。

8月8日(日) 西日暮里で愉快な昼酒(文責:タケ)
 昼に「古書ほうろう」を訪ねる。南陀楼綾繁さんから、神戸・海文堂の福岡さんが上京していると聞いていた。関西へ帰る前にみんなで会うから来ないかという誘いだった。福岡さんは『酒とつまみ』がまだ創刊まもない頃から応援してくださっている。今回は奥様もご子息も一緒に上京された由。書誌アクセスの畠中さんやデザイナーのIさんも駆けつけ、昼からにぎやかな飲み会になった。真夏の昼間の生ビールである。うまくないわけがない。みんなごくごくと飲む。すぐさま焼酎に切り替える人もいる。楽しい。文句なしだ。こうでなくてはいけないと思う。気がつけば、首の痛みもとれている。金の苦労は相変わらずだけれど、首が回るようになっている。谷中の町を歩きながら、時間が許せばあと2、3軒飲むのだが……。そんなことばかり考えていた。

8月7日(土) 早朝より筋トレに励む(文責:タケ)
 休日。目覚めてまず行なったのは、筋トレである。昨日の飲みすぎで気分が悪いのだが、いくら飲んでも首の痛みは良くならないので、筋トレに切り替えることにした。腕立て伏せをする。とはいっても、腕はあまり曲がらない。曲げられない。信じられないことである。子供の頃は100回くらいやったものなのに(50回くらいか、見栄を張る必要もない)、今では軽く肘を曲げる程度の腕立て伏せも10回を超えると、腕がぷるぷるとふるえてくる。誰も見ることのないうちにと早朝からはじめたのであったが、昨日まで合宿で早寝早起きを励行していた娘は、やはり早く目覚めるのか、わが醜態を目撃したのだった。あははは、腕、曲がってないよ……。悔しい。非常に悔しい。走り方だって、泳ぎ方だって、バドミントンのラケットの振り方だって最初に教えたのはほかならぬこの私だ。だのに、あははははと笑うとは。私は筋トレを中止した。米を炊き、味噌汁を作り、アジの開きを焼く。こうなったら、朝から飲むのだ。文士のように朝から飲んで、ふらりとどこかへ出かけてしまうのだ。そんなことをブツブツ言いながら食事の支度をしていると、ほかならぬその娘、腹減ったぁ〜、ご飯まだぁ〜、だと。非常に悔しい。こうなったら朝からビール2本飲んでやる、小さく宣言しつつ、早くも1本目の栓を抜くのであった。

8月6日(金) 首が回らない父、娘を迎える(文責:タケ)
 首が回らない状態が洒落になってないなとつくづく思って、自宅でせっせと仕事に励む。ためてある原稿を先に進めるのだ。生産するのだ。生産量を増やす以外にわが家計を楽にする方法はない。いや、厳密には、出費を減らすほうがよほど早いのだけれど、そんなことができるくらいなら首もすいすいと回っているはず。だからコストダウンは早々に諦めて売り上げの増大にまい進する。なんか言って、単に首の痛さに耐えられず、仕事場への出勤を放棄しただけの話だ。まあ、いい。飲まずに働いていればいいのだ。ということで回らない首をカチッと固定した妙な姿勢でひたすら仕事をする。遅い。遅すぎる。首が痛いというだけで、乗れないのである。そんなこんなで夕方になると、中学の部活の合宿から娘が帰ってきた。おかえりー! 振り向けない私は体ごと後ろを向いて娘を迎える。おっ? どうした? 娘が尋ねる。カクカクシカジカで首が回らぬと説明すると、娘が一言。酒ばっか飲んでるからでしょ、筋トレしなよ、筋トレ……。筋トレ? 酒を飲まずに筋トレぇ〜? それはちょっとコクなんじゃ、言いかける間もなく娘は私の前から姿を消した。もう風呂に入ったのである。ああ、なんというあっけなさ。父は回らぬ首で娘の帰りを今か今かと待っていたというのに。かくなる上は、飲むしかない。私は、仕事を早々に終わりにすることに決めた。こうなったら、首の痛みがなくなるまで飲んでやる。筋トレはしない。絶対にしない。飲んで治すのだ。

8月5日(木) なんとかで首が回らねえ(文責:タケ)
 朝、寝起きに異変を感じ、なんだこれは、と思う間もなく、首が回らない事実に気づいた。回そうとするとひどく痛い。回すどころか、左へ向けて頭を倒すことができない。倒そうとすると、右の首の付け根から背骨の際のあたりに痛みが走る。これはどうしたのか。四十肩というやつか、それとも文字通り、借金で首が回らねえってことなのか。借金たって、そんな大層な借金はない。人に言うほどの借金じゃない。それでいて首が回らねえときた日には、オノレの器の小ささを突きつけられるようなもんだ。これには参った。寝違えたんだよ寝違えたんだ。無理にでも自分にそう言い聞かせるしかない。ねえ、だってそうでしょう? 住宅ローンなんていう大袈裟な借金とは無縁の私の首が回らねえのでは、世の中の大半の人の首もみーんなまっすぐになっちまう。いやいや、やはりオレの器が小せえからなのか。ああ、痛ぇ。

8月4日(水) 飲みながら次号の企画を考える(文責:タケ)
 オリンピック・イヤーということで、年の初めから五輪関連話題の多い1年。夏ともなると本番開催となって、俄然関心も高まる。普段、世の中の流れなんぞにほとんど関心をもたずにひたすら飲んでる我らが『酒つま』スタッフも例外ではない。オリンピックを話題にしつつ飲むのである。我々は単純だ。こんな折りも折り、ときおり「飲みながら編集企画会議室」として使わせていただいている地元浅草橋の『上海ブラッセリー』において、次号の『酒とつまみ』の記事をどうするかという会議が催された。会議というより、そう、飲み会だ。さて、そこで出たアイデアだが、飲んだ上でのことであるから、ハナから大したもんではないのでるが、ちなみに小さなメモ帳に記録した言葉を拾ってみると、「酒リンピック」そして「200ml×4・個人メドレー」なんか書いてある。オリンピックの影響があまりにも大きい。しかし、それくらいしか考えていないも事実なのだ。我々は単純だ。ちなみに200ml×4というのは、4種類の酒を200mlずつ飲む早飲み個人メドレーということになるのだが、実はこれ、私の発案だ。競泳、中でも個人メドレーが好きな私としては、酒つまとオリンピックをからめてなんか考えるとなると、このあたりがまず最初に出てくる。とは言いながら、考えながらぞっとするのだ。4種目、いや4種類の酒を何にするかと考えれば誰だってぞっとするだろう。ビール、日本酒、焼酎、ウイスキー、ってね。普通に考えればこうなる。ビールはいい。2種目の日本酒もまあ、1合ちょいなら、一気に近い飲み方でもなんとかなるか。しかし、3種目が焼酎で、最後がウイスキーとなると、これは手ごわい。一気飲みを競うのは無謀だ、危険だ、絶対に推奨してはいけない。人様に迷惑がかかるから。ってなこと並べ立てるのも、言い出したそばから競技自体の恐ろしさを理解したからだ。それにつけても、不毛な会議であることよ。

8月3日(火) 上野で家族と夏休み(文責:タケ)
 書評のメルマガの連載原稿を自宅で書き、午後からは仕事場へ出ず、家内と末娘を連れて上野へ行く。科学博物館の恐竜展を見に行ったのだ。子供の頃、いかにも勉強の好きそうなヤツが好みそうな博物館にはまったく興味がないどころか敵意さえ感じていたが、今になって見てみると、非常におもしろい。子供の頃、まともに見ればたぶん興味を持っただろうに、もったいなかった、などと思う。帰宅後はビール。半日だけの夏休みだったが、まあ、これはこれで仕方がない。この後、休みがとれるかどうか不明なのだから、取れるときに取っておくべし、ということで。軽くビールを飲む。

8月2日(月) 追加をお届け、そのまま泥酔(文責:タケ)
 午後から仕事場。本日は『酒とつまみ』5号の電話・ファックス営業。北海道大学生協、その名も書籍部クラークには、すでに直接の取引をしていただいている。まだ、あまり成績は芳しくないのだけれど、仕入担当の方は5号もまた40冊、とりあえずは入れてくれるという。ありがたいことである。これで、30冊返品になったらどうするのか、という話もあるが、実は10冊入れて5冊返ってきても赤字は同じこと。それならば、少しでもチャンスが広がる、つまりは読者が一人でも増える可能性に期待したいと浅はかにも考えるから、置いてくださる書店さんには、後先考えずに品物を送る。こういうスタンスにしている。いいのだ、これで。悩んだときこそ、そう思うようにしている。夕方は、小誌をまとめて扱ってくれている銀座コリドー街の「ロックフィッシュ」に届ける。なんと、追加分の30冊。これも、はなはだ気分が良い。つい、そのまま飲むことになる。まだ明るいのだが、知ったことではない。気分の良いときのハイボールはことのほかうまい。だから、知ったことではない。結局そのまま、2軒、3軒。だから営業活動も遅々として進まないのだ。

8月1日(日) ビールは夕方まで我慢する(文責:タケ)
 自宅ではあまり飲まないので、オフと決めて引きこもっていられる週末は、1日あれば体調は回復する。昨日がその休養の1日だったから、本日は午前からすこぶる調子が良い。だからといって、この季節にプールへ行っても混むばかりだし、屋外で汗を流すほどの勇気はない。先日も、草野球で痛い目にあったばかりだ。そこで、本日も、何もしないと決める。本を読むくらいのことしかしない。それも難しいのは読まない。エッセイ集とか探偵ものとか、疲れないのがいい。ここで問題なのは、何を飲むかということである。以前なら、昼から迷わずビールだった。しかし、このところ、非常に酒量が増えている。飲める量が増えているのではなくて、そこまで飲まんでもいいだろ、という日が増えているのだ。だから、少しはバランスを取りたい気分でもある。せいぜいビールくらいにしておこう、というレベルではなく、ちゃんとした人たちのように、飲むにしたって夕方から、という一線を堅実に守ってみたくなる。このあたり、γ-GTP535の余波かもしれない。なんとか昼食時を乗り切る。もうあと2、3時間我慢すれば、ゆっくり入浴、そして少しはやめの夕方ビールという昨日と同じパターンに持ち込める。もう一息だ。だが、ここからが意外に苦しい。飲まないと精神が落ち着かない、なんてことはない。手も震えない。けれども、夏の昼下がり、短パンいっちょで扇風機の風にあたりながら文庫本なんか読んでたら、やっぱりビールだろ、とつい思ってしまう。3時をクリア、そしてそろそろ4時という頃。私は気がついた。何時から夕方と呼ぶかについて私はまだ検討していなかったのである。日没ということはあるまい。日没じゃ、夜だ。夕方というのはその前。ではどのくらい前からだろうか。あくまで個人的な思い込みだが、夕方は5時という気がする。そうだ、夕方は5時である。ここでまた気づく。サマータイムというのは、1時間くらい時間を前倒しにするのではなかったか。いや逆か? わからん。もういい、1時間早くするのが俺のサマータイムだ、と決め込んで、ああ、すでに時刻は午後5時になるのだと納得。ビールを取り出し、タンブラーに注ぎ、ベランダへ出る。しかしそこには、まだギラギラ感を色濃く残した夏の日差しが降り注いでいるのであった。こりゃ、どう考えても夕方じゃねえ! ま、いっか。


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