■2004年5月17日(月)〜5月31日(月)■

5月31日(月) 入稿まであと8日、エンジン全開        文責:タケ
 おお、あと8日だ。あと8日だ。どーするどーするどーするどーする! その勢いだけで1日を過ごす。午後9時。高田渡さんインタビュー記事、完成。6時間半に及ぶインタビューの全貌を収録することは到底できず、大幅に端折ってしまうことになったのが、ひどくひどく気になるが、もう、別のページを追い込まなくてはならない。ということは、一度頭を切り替えるために、少しだけ飲むことにしようではないか。でもって、またまた酒場。控えめに、あくまでも気持ちの切り替えだけに、と言い聞かせつつ、深夜までエンジン全開。

5月30日(日) 仕事捗るも焦りおさまらず           文責:タケ
 高田さんテープの整理終了。やった! 気持ちが乗って、某雑誌原稿も終了。やった! で、飲んだ。飲んでる途中で気がついた。しまった、特集のネタ(酒とつまみ5号の)の整理ができていない! うああああ。深夜、焦りに任せて、自宅では自らに禁じていたウイスキー突入。焦るよ焦る。目が冴えるばかりで、何も思いつかない、ああ!

5月29日(土) エビのように丸まって悶絶           文責:タケ
 具合が悪かったのではない。ただ、なんとなく不本意で、いじける気持ちが勝ってしまって、エビのように丸まって、寝ていたのだ。あ〜あ。寝てるのはラクだなあ、などと気楽なことが考えられないのがツライ。酒とつまみ5号の締め切りがいい加減やばい感じになっていて、高田渡さんのテープ起こしさえ終わらず、特集のネタもうまい整理の方法が見つからず、ただただ悶絶するばかり。おまけに、このところ土曜日にはほとんどかかさずに釣りに行っていたのだけれど、それも、行けない。それで悶絶。ちょっと気付けに、ってロング缶1本。うん、うまいね。さあ、そろそろ気合い入れて仕事すっか、ってロング缶2本目。よし、まず風呂入ろう、って風呂上がりの3本目が格別。あ〜あ。寝てるのはラクだなあ、って思うまでにさて、あと何本か。もうすぐって気がしつつ、4本目。

5月28日(金) なあ〜んか、非常にくたびれて         文責:タケ
 8時に起きて焦りまくる。某雑誌の入稿日だった。大慌て、メシも食わずに頑張って、なんとかなったのが午後2時。シャワーを浴びて着替え、脱兎のごとく家を飛び出して取材地へ向かう。大きなパーティが取材先。夕方から現地に入って打ち合わせをし、カメラマンや編集者さんたちと合流、いよいよ取材が始まれば、楽しんでいる客たちの、その楽しみぶりをメモり、感想を聞いてはメモり、何も食えず、1、2杯のウイスキーを隠れ飲みするだけで頑張る。解放されたのが23時。うああ、疲れた。お洒落なパーティというものがそもそも大の苦手なのだから、この疲労感はただものではなかった。疲れたならばどうするか、飲むのである。吉祥寺『ハバナムーン』でドスンと深く……。

5月27日(木) ゲラを読んでくれる人を探して         文責:タケ
 午後イチで、昨日準備した書類を持ってプレゼンテーション。早起き続きで頭がはっきりしているから、自分でもうまくいったと思ったが、夕刻には早々に、ウチで決定の連絡を受けた。ラッキーである。今夜の酒がうまくなるだろうと思う。今夜お付き合いをいただいたのは、編集者のTさん。以前、私のことを取材してくださった方だが、私はTさんに、酒とつまみ5号のゲラを読んでもらうことをお願いしようと思っていた。手の足りない編集部のこと、ぎりぎりになると、どうしてもゲラ(校正紙)読みが雑になる。そのことが4号までの課題だったので、編集Wクンとも相談した結果、誰かゲラ読みのできる人におお願いしようということになったのだ。お願いとはよく言ったもので、無報酬で読んで頂けないか、というお願いである。私は渋谷の、とあるバーにTさんをお連れした。どれくらいのページ数を何日間で読んでもらうか。受け渡しはファックスにするか郵便にするか。本当にボランティアでやっていただけるのか。Tさんは快く引き受けてくれた。ますます酒がうまい。聞けばTさん、女性であるけれど、渓流に分け入ってはヤマメ、イワナを釣るという。こっちもヘタクソながらときどき川へ行くんですよなどと話しながら飲めば、さらにさらに酒がうまい。最後には、帰りの井の頭線の中で、しっかりしているTさんをよそに、こっちはふらふらふらふら、と、いつもの状態に陥ってしまったのだった。しかもその後の吉祥寺駅で降りた私は、南口へ南口へと呟きながら、またしても東口改札を出て左折、ひとり北上してしまうのであった。

5月26日(水) 早起き続いて眠い、眠い            文責:タケ
 6時起床。腕立て伏せもしてしまう。高田渡さんテープの整理は続く。某企業へ出すプレゼンテーション用の企画書なども準備する。ああ、まだ若い頃、プレゼンの直前に企画書をまとめていたことを思い出す。いや失敬。まとめていたのは私ではなかった。私は当時、ワープロというものが満足に打てなかった(今もエクセルは使えないし、ワードだって機能の10分の1も使っていない)のだ。ま、なにはともあれ、せっせと午前を過し、午後からはバーの取材。3時と5時に1軒ずつ。顔見知りのお店でもあり、気安く話が聞けるので助かるが、撮影用にと出していただいた酒を少しばかり舐めていると、昼間だからでしょうね、やっぱりポワーンとしてしまって、危ない。仕事場へ帰って大急ぎで、日曜日に出かけた温泉の記事を書く。おお、忙しいと思いながらだったが、気分よく取材ができたときは、原稿もスムーズに進むような気がして、なんとか短時間で終えることができた。さて、かくなるうえは、飲みに行く。今夜は仕事場近くの中華でも、カメラSさんお気に入りの上海である。生ビールからレモンハイへ。いつものパターンで飲んでいくのだが、どうにもアクビが出てしまう。4日ばかり連続して早起きをしただけなのに、どうにもこうにも、もう寝たい。飲んでる途中で珍しいのだけれど、これが普通の反応かもしれないなと反省する。反省したついでに、今夜も早めに帰宅した。

5月25日(火) 早朝から22時間でノンストップ        文責:タケ
 ノンストップで飲んでた訳じゃない。温泉取材で2日連続の早起きをしたから、こんなときこそ、朝型に戻るべく、本日も5時起き。酒とつまみ5号特集のネタ出しなど、ヒーヒー唸りながらやる。正午、本の雑誌社に浜本さんを訪ね、次号で掲載する予定の書籍をお借りする。午後は仕事場で、高田渡さんのインタビューテープの起こし。まだ、終わらない。自慢じゃないが、テープを聞いてそれを起こすスピードは、私の場合、非常に速い。なのにこれだけの時間がかかる最大の理由は、聞いているうちに飲んでいるときのような気分になるからだ。そして、冷蔵庫から缶ビールなど取り出して、そう、飲んでしまうからでもある。それでも精一杯の集中で22時まで頑張る。すっかり疲れ、ちゃんと飲みに行かないと満足できない雰囲気になって、近くの中華食堂『王将』(チェーンの王将でなく)へ。結局、電車ギリギリまで飲んだり食ったりして、疲れがとれた、いや、実は、倍増してしまったのである。

5月24日(月) 快晴・温泉満喫                 文責:タケ
 5時起床。まだすっきりしない天気で、早朝露天風呂撮影は、抑えておく程度に。ま、仕方ないじゃないのとヘラヘラしている私に、昨夜にも増して鋭い視線を浴びせるのはHさんだ。が、朝食後に外へ出ると、見事な快晴。チェックアウトまでの時間に露天風呂撮影もなんとか終了。取材の目的は、すべて果たすことができた。車を返しかたがた、峠駅付近から少しばかり山道を上って姥湯温泉へ行ってみると、日帰り入浴ができた。ここの岩風呂はすごい。視察という名目でのひとっ風呂は最高。東京へ帰る列車の中で飲む缶ビールの味がまた、格別なのだった。

5月23日(日) 出ました雨を呼ぶ男               文責:タケ
 山形県は米沢駅からレンタカーで、新高湯温泉へ。某温泉雑誌の取材で、編集HさんとカメラのSさんが一緒、楽しい旅だ。が、私は非常に大きな問題を抱えている。屋外での撮影や地方取材など、天候が仕事の出来映えに大きく影響を与えそうなとき、必ず雨を降らせてしまう。1月には温暖なはずの静岡県は伊東に雪を降らせてしまったくらい。そして本日。昼過ぎに宿に到着。さっそく露天風呂の撮影にとりかかる。Hさんは全体の指示出し、Sさんはもちろん撮影が仕事で、私は何をするかというと、ポテ腹を披露しつつ温泉に浸かるのである。最高の仕事だ。ところが、私が早々と浴衣に着替え、いざ露天風呂へと玄関を出たところで、にわかにかき曇り、ぽたりぽたりと始まった。あははは。まずいよこれは、なんて言いながら露天風呂に身を沈める頃には雨脚激しく、湯の面に小さな紋がいくつも広がる。カメラのレンズにも雨滴がつくし、なにしろ、陽が燦燦と降り注ぐ露天風呂風景が欲しいところなので、SさんもHさんも、もう、頭に来てしまうのである。ああ、おい、またかよ! ほんとに? オータケさん、なんとかしてよ! とは言われてもねえ。仕方がないでしょ。降っちまったもんは。結局、図ったように降り始めた雨はその後も降り止まず、内風呂や館内の撮影をするに留まることになった。夕食時。たいへんおいしい献立で、いやあ、いいねえ、なんか言いながら冷酒をチビチビと飲む。Sさんも慣れたもので、まあ、しゃーねーやな、ってな風情でチビチビと飲む。ひとりHさんが、明日も雨だったら首締めるからな、ってな熱い視線を、私の横顔に浴びせているのだった。

5月22日(土) 寒い川原で釣れずに泣く            文責:タケ
 二日酔いをものともせず、川原到着は午前9時。飲まないときは魚釣り、という頭が自然に働くようで、どうも、これは本当に依存症一歩手前ではないのかと不安がよぎる。ま、仕方がない(最近はこればかりだ)。で、釣れるのか。釣れないのだ。フライなんて挑むから悲しい思いをするのだと分かってきたから、今日などは最初からエサ釣りエリアに入っているのに、釣れない。流れの澱んだプールみたいなところにそっと近づいていくと、やややや、いたいた、25センチくらいあるだろうか、ヤマメだろうね。これはこれは、とそこを狙って何度もエサを落とす。でもね。釣れないのだ。たまにかかるのが、5センチほどの幼魚。これはまずいのである。アタリがまったくなければ諦められるのだが、チョロチョロとアタリがあれば、今度こそ、ドカーンと重たい手応えがあるのではと期待してしまう。他のポイントらしきところには、きちっと身繕いをした釣り師然としたおじさんが何人かやっているので、もう、ここで踏ん張るしかない。寒い寒い川原で、結局3時間。昼過ぎに諦めた。ボーズ。また、ボーズだ。家へ帰ると二木啓孝さんから原稿が来ていた。おもしろい。気分がすっかり晴れて、私も酒とつまみ第5号の原稿の追い込みにかかった。ビール、えーっと、500mlで3本。

5月21日(金) やればできる、今夜も早く……         文責:タケ
 やっぱ、家で飲んだ次の朝はラクだ。ひじょーにラク。高田渡さんのインタビューテープを整理する。これが長い。えらい長い。テープ聞いているだけで笑える。酔える。不思議なテープなのだから、なかなか終わらない。まあ、仕方がない。夕方から某雑誌の対談取材。私は取材当日はほとんどテープレーダーであるので、それほど緊張もせず、無事に終わったのだった。さて、夜はいい時間。ここでまっすぐ地下鉄に乗り、京王線に乗れれば、あとはまた改札口で目を瞑るようにして右を向けば、帰路最後の関門である飲み屋前を通過することができる。しかし、しかし。そこまで、長い道のりだ。なにしろ取材が終わったのは銀座である。銀座に行きつけがある身分じゃない。じゃないのだが、寄れる店はあるのだ。2軒だけ。で、ま、1軒1杯ずつってことで……。しばらくして私は、なんとか、吉祥寺の最終バスに間に合えば、などと考えているのである。

5月20日(木) 絶対に早く帰る企画・成功           文責:タケ
 二日酔い。見事なまでの。昼過ぎまで自宅でなんとか仕事をするも、気分の悪さはおさまらず。まあ、仕方がない。午後遅くからの打ち合わせを終えてから仕事場によって雑用。さあて、ビールの1杯でもという余裕が顔を見せる直前のタイミングを自分では絶妙に測ったつもりで、電車に乗る。京王線でも帰れるので、今夜は地下鉄から京王線を利用する。吉祥寺についた頃にダメージから解放され、そのまま、1軒、いや2軒という日が少なくないからだ。それで、京王線。週刊誌のページを繰り、飲みたい気持ちが湧き上がるのをなんとか抑えにかかる。オレはもう、依存症かな、と不安がよぎる。最寄駅へとついて、改札を出る。目を瞑るようにして右折。左へ行くと好きな飲み屋があるのだ。だから、目を瞑るようにして、首を大きく右へ向けて急ぎ足。バス停で待つこと2分。ああ、あとはもうこのバスを降りるだけだと思ってやっと安心した。家で何杯飲むかは別として、ひとまずの安堵なのであった。

5月19日(水) 早く帰ろう企画、脆くも破綻          文責:タケ
 昨日は早々に帰宅して、映画を見ながらつらつら飲むも、やはり家で飲む酒は、あまり深くならない。そのおかげで、朝から気分がいい。毎日これくらいならちょうどいいのだなと肯きつつ、本日もまた、早く帰ることを決意する。某雑誌連載記事の校了をすませ、PR雑誌向け企画など捻り出すうちめでたく夜となり、軽く1杯だけ飲んで帰ろうかという運び。事実、仕事場周辺の飲み屋での酒はささっと切り上げることができた。あとは電車に乗ってしまえばいい。お茶の水で乗り換えて快速に乗り、本に集中してしまえば、いいのだ。有楽町へも行かないよ。四谷も新宿も、そうそう、中野も危険だなどと思う間もなく、電車は吉祥寺へとついた。ここで、一緒にいた編集Wクンと別れる。かる〜くいっとく? ってな状況を自ら立ち切るべく、ささっと別れてトイレを済ませ、さあ、いよいよだ。道を渡って左右も見ずにバス停へとひたすら歩き、また、本に夢中になれさえすれば待つ間の10分、15分も気にならない。焦るなよ、焦るなよ、と自分に言い聞かせつつ、あ! しかし、しかし、南口へ出るはずの私の足はなぜか東口を出て、しかも左折、つまり北側に向かっているのである。南だ、南へ行くんだ。こっちは北だぞ、おい! うむむむむ。足はどうにも北上を続けるのである。南とは反対、バス停とも家とも反対。行きついた先は、バーWなのだった。いらっしゃいませ。とマスターはいつものように元気よく言ってくれる。ふーっとひと息つく。ウイスキーのハイボールを頼む。まあいい。1杯飲んですぐに席を立てばいい。バスはまだある。が、しかし、お代わりをしてしまうのである。バスの時間が危なくなってくる。ま、ここからならタクシーでも、という気になりやすいのが、地元で飲む危うさ。3杯目を頼んだところで、もういいや、といういつものパターン。そういえば、自転車は駅の駐輪場に置きっぱなしのままであった。

5月18日(火) ジャックニコルソン酒は効くぞ!       文責:タケ
 二日酔いの中ヒーヒー言いながら仕事をしていると、連載陣のひとり、すわ親治さんから追加の原稿が来る。また今度もおもしろい。飲みながら話しているときにも感じることだが、必ずフリを入れてから落とすというサービスをかかさない人。しかもそのタイミングが絶妙なので、条件反射的にプッと噴き出すことになる。おもしろい原稿が届いたときほど、編集をしていて楽しいことはない。普段はライターとしていろいろな雑誌に原稿を掲載してもらう仕事をしている身としては、編集者というのはつくづくおもしろい仕事だなあ、と、思う。『酒とつまみ』を始めて本当に良かったと思う瞬間でもある。さて本日は早めに帰宅。某雑誌に酒がらみエッセイを書いてもいいよと誘われて、ビデオで映画を見ながらそれに釣られて飲みまくるという企画を思いついた。どんな映画を見るかというと、ジャックニコルソンの3本立て。延々とジャックニコルソン主演映画を見ながら、ただひたすら飲むのである。用意したのは『郵便配達は2度ベルを鳴らす』『恋愛小説家』そして『アバウトシュミット』の3本。いずれも、ニコルソンのバカ飲みシーンがあるわけではないのだが、随所に酒にまつわる結構なシーンがあって、それを見ながら飲むわけだ。なのだが、最初に『郵便配達は〜』を見たのがいけなかったか。あの荒荒しさ、ね、それからジェシカ・ラングの、ね、そう、かわいい。で、いきなりビールがぐいぐいと進み、途中からウイスキーになって、『恋愛小説家』のときには、ソーダで割っていたウイスキーがロックからストレートに変わり、もっとも渋めの『アバウトシュミット』の頃にはもういけません。なんかもう、頭ン中ふわふわになってしまって、この作品の見所、恐らくは半分も見えてない状態となってしまった。それでも、キャシーベイツの迫力の肉体には度肝を抜かれましたが。深夜半昏睡!?

5月17日(月) 原稿、原稿、だからか、ハシゴ3軒       文責:タケ
 酒とつまみの追い込み。立ち飲み企画の原稿を必死で追い込む。なにせ、週末の丸2日を川原で過してしまったので、非常にヤバイのである。夕方、大衆食の詩人、エンテツさんがぶらりと我等が仕事場を訪ねてくださったのだが、とてもではないが、さあさあ飲みにいきましょうやってな雰囲気でもなく、お付き合いできずに申し訳なし。なんとか午後10時ごろまで集中して、疲労困憊というところで飲みに出た。どうも、こういうときに酒が進む。仕事場の近くで1軒、自宅近くまで帰ってから2軒。帰宅は3時を過ぎた。泥酔。


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