■2004年6月1日(火)〜6月16日(水)■

6月16日(水) 茫然自失の1日、でも夜は飲む         文責:タケ
 飲みまくり取材週と、入稿と、いろいろ重なって疲労困憊。仕事場でひたすら茫然として過す。溜まっている雑事に手をつけるのが精一杯。早く帰って寝るに越したことはないのだが、なぜか、夜になると飲みたくなる。カメラSさん、編集Wクンと一緒に近場の酒場へ行き、その後は吉祥寺のWOODY。まだ、もぞもぞと痒いのだが、それも少しばかり気にしつつ。ああ、疲れた。

6月15日(火) 校了後、渓流へ                 文責:タケ
 校了紙読みと、データ修正の日。まだ痒いのだけれど、昨日ほどの苛立ちはない。校了後に楽しみがあるからだ。16時、印刷所に校了紙とデータ一式を手渡し、そこで、ひとまず仕事は終わった。終わったんだかんな、なんもしないんだかんな、という気分を大いに味わうために、今回は、実は、自家用車で仕事場へ来ていた。校了後にはそのまま、川へ行くのである。16時過ぎの首都高速は空いていて、あっという間に首都高4号から中央道へ出て、相模湖ICから山へ入っていって、日暮れ前の川原についた。日没までたっぷり1時間は楽しめる。さすがに平日の夕方に釣りに来ている人もおらず、期待に胸も膨らむのである。ところが、やっぱり釣れないのだ。アタリはすべて稚魚のもの。真っ暗になってしまって、もう、イヤだという気分になって帰ってきた。関わった人の労を労いもせず、自分だけ釣りなんぞに行こうというセコイ心情を思い知らされた。

6月14日(月) 痒い痒い校了紙読み               文責:タケ
 春先から太ももの内側の柔らかい部分に湿疹ができて、いやだなあ、と思いつつ、汗蒸れだろうと推察してシッカロールなんぞまぶしていたら、湿疹そのものが増えるというより、赤く腫れた箇所が広がるふうで、見た目にもたまらんものがあるが、なにしろ痒い。本日は『酒とつまみ』第5号の校了紙を丸1日ずっと読み込む日なのであるが、痒いというのはこういう作業の妨げになる。非常にいらいらする。痒さとか痛さとかは、酒を飲めば余計にひどくなるのは容易に察しがつくが、なに、飲んでるうちに治るさこんなもんと、根拠なしに侮っていたのが運の尽き、非常につらい、厳しい校了紙読みになった。夕方からは某誌関係者と会議があって、その後は酒になった。ここで飲むとちょっとやばいんじゃないの、と思うけれど、行きますか、と誘われて行きませんとは言ったことがないので、行ってしまった。飲んでる間、しばし痒さを忘れて。

6月13日(日) 午前中の頑張りで、夜はうまいビール!    文責:タケ
 家族を駅まで送るという過酷な任務により早朝からたたき起こされる。はいはい、行ってらっしゃい。ああ、眠い。しかし、このまま寝てしまっては完璧に昨日の二の舞になるから、ここは頑張ってすぐさま仕事。仕事中の喫煙をキツクナジる家族もいなければ思いのほか集中もでき、明日までの仕事に目処がたった。というより、夕方には念願の何もない状態、に入ってゆっくり入浴、かるくツマミなぞも作って冷えたビールを何本か飲むという楽しいひとときに突入できた。テレビで観たのはサッカーのユーロ2004。ああ、楽しい。ビール飲んでテレビ見ているのが一番楽しいとは、我ながら本当に趣味のないことであるよ。

6月12日(土) 起きられない週末                文責:タケ
 起きられない。どうにも起きられない。昨夜はそう深く飲んでないから、起きようと思えばなんのことはないはずなのだし、月曜日までの仕事も、短いものながら2本ある。はやくやってしまって、明日こそ完全に休みにしようじゃないか、釣りに行こうじゃないか、と思うのだが、どうにもこうにも起きられない。少し仕事をすると、すぐに横になってしまう。ちょうど家族が出掛けているので、その自堕落ぶりを叱咤する人もない。こうなると、どうにも妙なことになる。夕方になり、宵の口がきて、今日は諦めるかという気分になるまでの間、ゴロゴロしながらも、はやく手をつけなくてはと焦りながら過すことになる。こういうのは、ハタから見れば何もしてないとしか見えないのだけれど、本人にとってはけっこうなプレッシャーになっていることがある。ダテに寝ているのではないのだ、と思いたくもなる。しかし、ま、明日にしようと思い決めてしまうと話ははやく、風呂入ってビール、調子が出れば軽〜くウイスキー、となるわけである。

6月11日(金) ビール・ウィークの最後はウイスキー     文責:タケ
 午前11時の駅パブまで、ビール取材のつづき。でも、これでようやく一段落。午後からは、溜まってしまった諸々の仕事に取りかかりたいのだが、結局は今日が締め切り日という原稿仕事に追いまくられる。最後の力を振り絞ったダッシュで、なんとか22時頃までに上げ、さて、ビールにするか、いや、もうビールはいいか、ウイスキーだろ。ということで、小誌連載の佐藤謙一さんの店「ルヴェール」へ。ソーダ割りのウイスキーを3杯ほど。このところビールラッシュだったので、気分が変わってたいへんうまい。帰りの丸の内線で、深く深く眠り込んだ。

6月10日(木) 水上バスでもビール!              文責:タケ
 10時のビアパブ取材の後、少しばかり時間が空いて、事務所の支払関係など雑用を片付け、15時に田町のアイリッシュパブ、16時半には西新宿の「ぼるが」で取材。その足で今度は浅草へ向かい、「神谷バー」の夜の外観を撮影、そこから水上バスに乗った。桟橋でも、船内でもビールを売っているのである。涼しい風。ビールがうまい。これも取材。『酒とつまみ』の入稿が終わったばかりだというのに、酒、酒、酒、なんである。

6月9日(水) ビール、ビール、ビール!            文責:タケ
 11時、浅草の神谷バーにて取材開始。ランチメニューと特大のビールの撮影。その後で日比谷公園内にある日比谷茶楼で今度は本当にランチを食べてビール。もちろん、ここも取材。その後で、大急ぎで移動して飛び込んだのは銀座のライオン。ここもビールだよ。さて、とっとと夕刻になりまして、最後に赴いたのが、天王洲のブルワリー。運河沿いのオープンエアレストランである。ね、ここでもビール。もう、アタマの中ふわふわしてきた。もとより取材だから、たくさんは飲まない。ほんの少し、である。けれども、前夜からの酒が抜け切らないうちに次の酒を足しているので、なんかこう、ボワっとした感覚がずーっと続くようなのだ。日没直前のレストランの外観を撮影するために、日没を待っているとき、夕暮れの運河に何匹もの魚が跳ねていた。ボラかフッコか。竿がありゃ釣れそうだなあ、なんてこと考えているうちに、雨がポツポツ落ちてきて、川面に丸い波紋を描き出していた。さあて、そろそろ取材も終わり。今夜はどこで飲もうか……。まったく懲りてないのであった。

6月8日(火) ようやく入稿、もう飲めずの夜          文責:タケ
 ようやく入稿。入りました、入りました。いやー、時間かかりましたねえ。なんか適当な感想を述べるしかない夕べ。大日本印刷のMさんをそのままお誘いして、20時頃より編集部近くの「上海ブラッセリー」へ。祝いの酒である。であるのだが、小生、どうにも酒が進まない。連日の酒にビクともしないMさんの元気の良さを見るだに申し訳ないのだが、レモンサワーを何杯か飲むと、もういけません、という状態に陥ってしまった。またまた半端な入稿祝い酒になってしまい恐縮する。しかし、恐縮したからといってそのまままっすぐ帰るかどうかわからないのが、自分でもどうかしていると思うところ。結局は吉祥寺でもう1軒行くことになった。まあ、ひとまず、入稿おめでとうということで。

6月7日(月) 入稿週と取材週が重複               文責:タケ
 『酒とつまみ』の入稿は明日。だけれど、すでに飲み屋を経巡る取材週にも突入しており、今日もスタートは午前11時。新宿駅の構内にあるビアパブで、JR東口の改札を出てすぐ左という絶好の場所。このお店、ビールもハムもパンも美味くて、しかも朝から飲める。別にコーヒーを飲んでもいいのですが、うまいビールもあるならねえ、ここはやはりちょっと飲みつつお話を伺うことに。ここで調子付いてしまった小生は、次に神保町を回り、その次に、浜松町の秋田屋さんに回った頃にはすでに飲みモードに突入していた。店の話はすでに聞いてあるので撮影がメインであるという事情もある。営業時間中の撮影になるので、必然的に飲むことになった。どうも、ここの居心地が良過ぎて、その後は仕事になる気配がない。そういう状態になったので、そのまま渋谷へ。コレオスというバーのオープン、といっても超のつくベテランバーテンダーによる新規開店に、御邪魔をさせてもらう。朝からのチビチビやってきた酒が、ここで一気に回った。しかも、もうこれ以上は飲めないかなと思うそのときに、またやってしまったのだ。マティーニのひと言を。そして、金を払ったときの記憶なし状態で帰宅することになった。恐い、恐い。本当にちゃんと払ったんだろか? 確かめるのも恐い。

6月6日(日) 原稿完了。大瓶2本で爆睡            文責:タケ
 午前中から取材が始まる。『散歩の達人』ムックの取材だ。駅のパブや立ち飲み屋、オープンエアの酒場に、昭和を感じさせる古い酒場……。お題がいっぱいあるので、取材先もたくさんになる。それで日曜日からのスタートとなった。11時は東京駅構内の店、14時は浜松町にある老舗の秋田屋さん。このお店、日曜は休業日なのに、ご主人も、ご家族の方たちも店に出て、せっせと仕込みをしていた。軟骨を叩いてミンチ状にしたものを太く握り固めて1本の串に刺す名物つまみが、この店にある。お一人様1本かぎり。毎日確実に品切れしてしまう限定の絶品なのだが、ご主人は休業日にも、この仕込みに余念がなかった。小生に話す間も手を休めることはない。この律儀さ、この一途さが、昭和初期に先代の時代に始まったこの店を、今も繁盛させている原動力なのだと思う。と思えばもう、飲みたい気持ちは満々なのだけれど、日曜日はお休みだから、そのまま客になって飲むというわけにもいかない。仕方なくすごすごと仕事場へ帰ることにしたのだが、帰路、もしかして、取材後にそのままダラダラと居座られては困るから日曜日に呼んだのか、という気もしてきた。いやいやまさか。でも、もしかしたら……。そんなことを考えつつ仕事場へ到着。自分が担当している分の、最後の最後の原稿を書く。19時30分完了。これを明日デザインに回せば、なんとかギリギリで6月8日(火)の入稿に間に合う。どっと疲れが出て、どこにも寄る気が起きず、まっすぐに帰宅して大瓶のビールを2本で、あっけなく入眠した。

6月5日(土) 運動会で涙する                  文責:タケ
 小学校に通っている娘の運動会。徒競争は競馬を見る時と同じく、ゴール近くで見た。4角を先頭で回って直線へ入ってきた娘は、アゴを引き、膝を高く上げ、おお、良いではないかという走りでゴールへ突っ込んだ。先行・逃げ切り、楽勝で一着。小学校入学以来、連対にからむことはあっても未勝利だったから、アイツ、本当に嬉しいだろうなと思ったら、小生が即座に落涙してしまった。ああ、バカな親であることよ。運動会の後は急いで帰宅する。昨今の運動会は応援しながら酒を飲むと後で叱られるらしいので、暑い中、1本の缶ビールをも飲まずに我慢していたのだ。それは毎年応援に駆けつけてくれる義父も義理の姉も同じことだ。後片付けを含めた父兄の打ち合わせに参加しなければならない家内は、ひと足遅れの帰宅になる。そこで小生が家への急行し、娘のために風呂をわかし、さっそくビールで乾杯といきたい義父、義姉のために簡単なつまみを作る。葱と豆腐とアスパラとベーコンなど、冷蔵庫にあるものを取りだし、葱を刻み、塩を振り、しばらく置いておく間に、ベーコンを切り、アスパラを茹でる。葱から水が染み出してきたら豆腐の上にどさっと乗せてゴマ油を垂らす。小誌「つまみ塾」で紹介し、各方面(5〜6件だが)から絶賛を浴びた、瀬尾さん流「塩葱奴」である。茹でたアスパラはベーコンと一緒に炒める。おろしニンニクと醤油と塩・コショウだけ。さて、乾杯だ。ビールがうまい。1日で、赤く日焼けした顔をほころばせながら娘が帰って来る。夕食のための食材や飲み物を大量に買った家内も帰って来る。ビールはたちまち減っていく。娘が風呂に入っている間にもう1本。家内が最初のつまみを出してくれて、また1本。まだ、日は高い。

6月4日(金) ゲラ読んで疲れたから、飲む           文責:タケ
 「書評のメルマガ」に連載させてもらっている「酒とつまみと営業の日々」を書いてメールで送る。酒がらみのもう1本の原稿をチェックして、その後は、ひたすら『酒とつまみ5号』のゲラ(校正紙)読み。ここでちゃんと読んでおかないと校了時に印刷会社に迷惑をかけるから、しっかりやれよと自分に言い聞かせるのだが、どうも、自分が書いた原稿というのは、読み方もゆるゆるになってしまって、先日Tさんに依頼して読んでもらったゲラと突き合わせると、まあなんたることか、小生の校閲は極甘なのであった。やはり編集には向いてないんだろうなと悲しく思う。ンで、夜も更けてくればやはり飲むわけである。ゲラ読んで疲れちゃってさ、なんて、いい気になって、飲むのだ。入稿の本当の正念場はこれからだから、どう考えたって飲まんほうがいいのだけれど、ウイスキーのソーダ割りなんぞを、5杯も6杯も飲むのである。これでも実はセーブしているのだ、などと誰にともなく言い訳をしながら。

6月3日(木) アポ取りしながらパフパフ入稿          文責:タケ
 『散歩の達人』という雑誌のムックで仕事をさせてもらうことになり、取材先へのアポ取りに追われる。焦るよなあ〜。なんでもっと早くやっておかないのよって自らを戒めるけれど、もう遅い。電話をかけ、先方の担当者が不在なら、『酒とつまみ』の特集の原稿を追い込んで、再度また電話をかける。ようやく担当者と話ができたかと思うと取材依頼書をファックスしてくれと、まあ、当然のことなんですが依頼され、はあはあ、と焦りが膨らんでいく。胸の中がちょっと空気でいっぱいになってきたなあ、なんてのが危険な徴候。若い頃からときどき顔を出す一種の目一杯状態。これがひどくなると俗にいうパニック障害になってしまうのだけれど、今日はなんとか持ちこたえつつ、身もだえしつつ原稿を追い込む。我が家では「父のパフパフ」と気安く呼ばれているこの症状、こりゃヤバイってな感じになると常時携行している安定剤の世話になるのだけれど、これを服用したことを失念して酒を飲むと、いささか、というより相当に危険に酔っ払うので、薬には手を出さず、その代わり冷蔵庫の缶ビールを立て続けに開けながら、特集のパフパフ入稿を完了したのであった。その後は、そう、飲む。吉祥寺で、また深夜まで。すっかり脱力して。

6月2日(水) 広告主様に、酒場で原稿確認           文責:タケ
 特集の追い込みに手がつかず、焦りまくりのまま別の仕事をこなしていたら、松崎菊也さんやすわ親治さんの出る『他言無用ライブ』へ行けなくなってしまう。夜、酒とつまみの表2に半ページの広告を入れてくださっている歯医者さんの、次の原稿をつくる。その作業をしていて思い出したのだが、その広告主様は水曜日の晩に飲むことが多いということ。それで、広告主様馴染みのバーへ電話を入れると、本日来店するかどうかの確認を入れてくれ、来るということだったので、さっそく広告案を持っていくことにした。広告主様に原稿を見てもらうのも酒場なのだ。これでいいのだろうか。と、中央線の車中でほんの一瞬考えたけれど、すぐに忘れて酒場へ向かい、その場でOKをいただいたのだった。必然的に、やや、というより、かなりの深酒になった。

6月1日(火) 入稿ウイークに突入、酒も増えるよ!      文責:タケ
 さあ、入稿まで残すところ1週間。入稿日を延ばした分だけ釣りに現を抜かした小生、焦りは人一倍なのだが、こんな日には別の取材なんか入っているものなんである。午前中から、『川の名前』という傑作小説を書いた川端裕人さんにインタビュー。どんな人だろうかとビビリの小生はひたすら緊張したのであったが、お会いしてみたら、とても親切な方で、自宅も近いことから近所の川原での楽しみ方などまで教わることに。まことに有意義なお仕事になったのだった。この小説、詳しいこと、ここでは書きませんが、とてもおもしろい一篇です。温泉旅の原稿の校正紙が出てきたので修正を入れる。ああ、また行きてえなあ、と、そんなことばかり考えていた。仕事場近くで1杯。それから電車に乗って遥々吉祥寺へと帰り、『酒とつまみ5号』の肝腎要の巻頭特集の原稿もできてないのにもう1杯。本当に1杯だけで帰ろうとしていたのだが、そこへ高田渡さんがふらりと現れて胸がドキュンと波打った。思えば、6時間にも及ばんとする「酔客万来」インタビューにお付き合いをいただき、寒い雨の中、井の頭公園まで写真撮影のために引きずりまわしてしまったのは3月の末のこと。それから2ヵ月も経つというのに本は完成しておらず、というより入稿も終わっておらず、しかも、高田さんのインタビューページの原稿では、紙面の関係で取材当日にうかがった数々の「いい話」を一挙に割愛し、バカ話のみをまとめた直後であったから、ビビリが驚いてうろたえたからもうメロメロ、あ、先日はホントにお世話になってなどと挨拶しつつ体の向きを元に戻しざま、小生はカウンターの酒を全部こぼしたのであった。


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